慶応義塾大学:中室牧子によると

学力よりも収入に大きくかかわる能力がある

学力が同じでも収入が変わってくる状況を分析

 

●大学卒業後の年収比較

シカゴ大学 ジェームズ・ヘッグマン教授の研究

アメリカの1万3000人のデータから導き出された年収の比較

高校退学者を0とした場合、

高校卒業後大学に進学した群と比べて、

大検で大学に進学した群は100万円も年収が低かった 大検で進学した人は身についておらず、

 

高校卒業した人は身についている能力とは?

高校生活で身につく収入に影響を与える能力が、非認知能力

 

●非認知能力

自制心、忍耐力、コミュニケーション、

やり抜く力などテストでは計測できない能力

 

●将来の収入に影響があるのは、自制心や忍耐力と考えられている

社会に出た後、学力だけでは対応できない問題に直面した時、

自制心や忍耐力が必要になる

それは学校で先生、友人に触れあったり、

部活動や課外活動を通じて培われる能力

最新の研究で、学生時代、部活動や課外活動を経験した人の方が、

将来の収入が高い結果も出ている

テストの点数を気にして部活を辞めるのは、将来的にはマイナスになる

 

●両親から「約束を守る」「大きな声で挨拶する」「嘘をつかない」と

しつけを受けた子供は、非認知能力が高いという研究成果もある

しつけを受けた方が、しつけを受けていない人より、

年収が86万円も高いことが分かった

 

●自制心が備わっているか?をチェックする方法

「このチョコレート、今食べてもイイけど、もし次来るまでに我慢したら もう1個あげるから我慢できる?」

子供にチョコをあげて、いつ戻るかは伝えずに退室

15分後に戻ってくるまで食べずに我慢できれば、もう1つチョコをあげる

我慢できた子は、収入に関わる自制心が備わっている

 

●規則正しい生活(決まった時間に寝るなど)が自制心に影響している

毎日「背筋を伸ばしなさい」と伝え、

実践させるだけで非認知能力が育つという研究結果も出ている

(679)

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慶応義塾大学:中室牧子 教授による

4万5000人を対象にしたデータ研究から導き出す

 

子供が良い点を取ってきた時にかける一言には、

学力の上がる最良の褒め言葉がある

●テストで100点を取った時は、「頭がイイね」よりも「よく頑張ったね」と言った方が成績が上がる

「頭がイイね」「よく頑張ったね」は、両方とも褒め言葉だが、

それがどのように影響するかは微妙に違う

「頭がイイね」は、子供の能力を褒めている

一方、「よく頑張ったね」は、子供の努力を褒めている

 

小学生の対象に行った実験で、子供たちを2つのグループに分け、

良い成績をとったら1つのグループは「頭がイイね」と褒め、

もう一つのグループは「よく頑張ったね」と努力を褒めた

元々の能力を褒めると、子供たちは

徐々に意欲を失って成績が低下することが分かった

 

●悪い点を取ってきた時に絶対に言ってはいけない言葉

「女子は数学が苦手だからできなくてもしょうがないよ」

といった慰め方をしては絶対にいけない

先入観や思い込みから発せられた言葉が刷り込まれ、

子供の学力が下がるという研究結果が出ている

(264)

慶応義塾大学:中室牧子 教授による

4万5000人を対象にしたデータ研究から

父親が子供の勉強にどう関われば良いか、が分かる

 

母親の関わり方で子供の勉強時間がどれだけ伸びるかを調べた

母親の場合、勉強する時間を決めて守らせる が一番 効果的だった

 

父親の場合、どんな関わり方で子供の学習に、

どんな影響があるのかを調べると

勉強を横について見ている が最も効果的であることが分かった

●父親の役割は決して小さくない

子供の成績をあげるためには、父親が隣で見守るのが効果的

 

さらに父親だけでなく祖父、塾の先生が、

子供にどう関わると学力が上がるのかを調べた

すると母親と父親、子供の性別の組み合わせも大事であることが分かった

母親の場合、男子よりも女子の方が効果が高くなっている

父親の場合、女子よりも男子の方が効果が高くなっている

●男子は父親の習慣や考え方を継承しやすく、女子は母親の習慣や考え方を継承しやすい

教育現場でも、苦手教科があった場合、

男子は男性の先生に、女子は女性の先生に付くと

苦手強化の克服ができるという研究結果もある

(130)

慶応義塾大学 教育経済学者:中室牧子によると

●あなたが、どの大学を卒業しても将来の収入には影響ない

安定した収入のため、少しでも偏差値の高い大学に

行くことが昔から当然のように言われてきたが、

どの大学に行っても収入は変わらないという

 

2500組の双子を調査

外見、家庭環境、能力がほとんど同じ2人が別の大学に行き、

その後の収入を比べた結果、ほとんど差がなかった

 

ある人間が東大を卒業しても、

その人間が東大を落ちて他大学に入ったとしても収入に差はない

 

重要なのは、卒業した後

どの大学を卒業したかは、本人の能力が同じなら大きな差はない

 

●大学別 年収ランキング

1位:東京大学:729万円

2位:一橋大学:700万円

3位:京都大学:677万円

4位:慶應義塾大学:632万円

5位:東北大学:632万円

 

このデータは、東京大学を卒業した人と

別の人が別の大学を卒業した後の年収のデータであり、

同一人物のデータではない

 

偏差値の高い大学へ行った人が収入が高くなる、と多くの人は信じている

偏差値が高い→収入が高くなるという因果関係

しかし必ずしもそうではない可能性がある

もともと収入が高くなる潜在能力が高い人が、

偏差値が高い大学へ行っているだけの可能性が考えられる

同時に起こってはいるが、原因と結果が明らかでない場合、相関関係という

 

収入に関する自己管理能力や忍耐力は、受験勉強で培われる

 

受験でベストを尽くした後、どの大学へ行くかは収入には影響しないだけ

(155)

秋田県の小学校で導入されているアクティブ・ラーニング

発表やグループワークなどを通じて

子供たちが主体的に学び合う学習方法を

アクティブ・ラーニングと呼ばれている

 

文部科学省も、この学習方法に注目しており、

2020年度から小学校の学習指導要領で導入する方針

 

小学6年生と中学3年生を対象に行われた全国学力テストの結果では、

アクティブ・ラーニングが成績の良さと関連があることが分かった

 

アンケートの結果、授業やグループの中で

自ら考え自分から取り組んでいたと思うか?という問いに

当てはまると答えた子供ほど成績が良かった

 

中でも秋田県の子供たちで、当てはまると答えたのは、

全国で最も高い41.2%で、平均の30.1%を上回った

(170)

慶応義塾大学 教育経済学者:中室牧子による

36000人のデータ研究から導き出した子供の学力が上がる簡単な行動

一般的にはご褒美で釣るのは良くないイメージがあるが、

 

●勉強を習慣化させるには「ご褒美で釣る」が効果的

人は「目先の利益」の方が

「遠い将来の利益」よりも、よく見える傾向がある

長い目で見れば、勉強しなければいけないと子供は分かっている

今、勉強することの利益を高めてあげればよい

 

●ご能美のあげ方の正解と不正解

1、テストで80点とったら2000円あげる

2、参考書を1冊読み終わったら200円あげる

調査した結果、結果にご褒美を与えるのではなく、

きっかけにご褒美を与える方が学力が高くなることが分かった

 

子供は大人ほど、どうすれば学力が高められるかが分かっていない

例えば、参考書を読む、宿題をするという具体的な手順を示して、

継続的にやらせることでご褒美を与えないと学力は上がっていかない

(186)

慶応義塾大学 教育経済学者:中室牧子による

●45000人のデータ研究から導き出した子供の学力が上がる簡単な行動

子供の勉強意欲を無くす行動で一番言ってはダメなのは、

 

●親が「勉強しなさい」と言うと勉強時間が減少する

15年にわたる追跡調査のデータを使って小学生の低学年を対象に

親野関わり方と学習時間を増加させる効果を調査

1、「勉強した?」と勉強したか確認している

2、勉強を横について見ている

3、時間を決めて守らせている

4、「勉強しなさい」と勉強するように言っている

 

この4つの関わり方の内、最も勉強時間を伸ばす効果があったのは、

1位、勉強する時間を決めて守らせる

2位、勉強したか確認している

3位、勉強を見ている

勉強する時間が減少したのが、勉強しなさいと言うだった

 

親が見ていなかったとしても勉強を習慣化させるためには、

親が自分の時間を犠牲にするような関わり方が必要

 

林修は、親に「勉強しなさい」と言われることが、

どういう影響を持つのか調査している

優秀な東大生には、必ず聞く

「親に勉強しなさい」と言われたことある?」と聞いて

YESという答えは、1回も返ってきたことがない

(226)

慶応義塾大学 教育経済学者:中室牧子によると

●東大に子供を入れた親の教育法をマネしても東大には受からない

子供を全員東大にレた母親の話や

低い偏差値から偏差値の高い大学に入れた教育者の本は、よく売れている

しかし成功した母親と同じことをしても

必ずしも子供も成功させられる訳ではない

子供の能力、親の取り組み、運など

受験の合否を左右する要因を無視して

勉強法だけマネしても全ての人が、同じ結果になるはずがない

あくまで本になるようなネタは、稀有な体験でしかない

マネしても ほとんどの人は失敗する

 

●読書をすれば学力が上がる、とは言い切れない

子供を全員東大にレた母親の話の中で、

子供の頃から本を与えて読書していたことが

学力向上につながった、と書かれていると

読書と学力に因果関係があると勘違いしてしまう

読書と学力が同時に起こってはいるが、

原因と結果が明らかでない場合、相関関係と呼ぶ

読書をしたから学力が向上したのではなく

学力が高い子が本を読んでいるだけ、という可能性がある

その場合、読書をさせても学力は上がらない

 

(226)

目標は、しっかり立てておく

出来た⇔出来なかった の縦軸と

やろうとした⇔やるつもりはなかった の横軸で表を作る

 

1、やろうとして出来たこと(例:何かを本を読む)を記録する

 

2、やろうとして出来なかったことを人は記録したがらない

やろうとして出来なかったことは、すごく重要

 

林は大学時代から、読もうとして読まなかった本を記録し始めた

やろうとして出来なかったことの中に大事なことがたくさんある

記録しておけば、後から見た時に、

あの時 この本を読みたかった自分と出会うことができる

今は時間があるから読んでみようか、と

それを忘れないためには、記録して過去の自分を整理していく

 

3、やるつもりもないしできなかったことは、記録する必要が無い

 

4、特にやりたくもなかったのにやったら出来たこと を記録

例えば、友人に釣りに連れて行かれて やったてみたら、

「お前上手いな」「お前向いてるよ」と

自分は気付かなかったから、やらなかったが、やってみたら出来たこと

本人は、軽く流してしまいがちだが、

もしかしたら そこに適性があるかもしれない

(249)

●林修の簡単に上手に書ける読書感想文

現実認識による事実認識と価値判断から構成される

 

例えば、冷蔵庫の中にビールが6本ある、は事実認識

それに対して、どういう価値判断をするか?によって大きく分かれる

冷蔵庫の中にビールが6本ある、

林先生だったら、すぐに買いに行かなくちゃと判断する

これが価値判断

価値判断には、理由づけが可能

僕は毎日3本飲むから、もう買いに行く

私は1週間に1本しか飲まないから、まだ買う必要がない

 

1、本の気になった一文を書く→事実認識

 

2、それに対して、どう思ったのかを書く→価値判断

「すごく素敵だ」とか「ここが気に入った」など

いろんな価値判断ができる

 

3、なぜ そう思ったのか?を書く→理由づけ

 

4、そして1~3までを1セットとして

似た状況で比較する→類比 もしくは反対の状況で比較する→対比

(314)

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